今回のご依頼は、堺市堺区のマンション（1DK・1階）にお住まいの、30代後半・男性のお客様からでした。

お問い合わせや立ち会い時の受け答えは非常にハキハキとされており、お仕事でも責任ある立場に就かれていることがすぐに伝わってきました。 しかし、そのしっかりとした口調とは裏腹に、表情にはどこか深い疲れが滲んでいました。

「家のことが、全く追いつかなくなってしまいまして……」

「仕事は順調」だからこそ陥った、片付けの後回しループ

お客様の最大の悩みは、仕事に全精力を注ぐあまり、生活を維持するエネルギーが残っていないことでした。

外ではきちんとした身なりで、完璧に仕事をこなす。しかし帰宅すると、片付けや掃除をする気力はゼロ。「今日は疲れたからいいか」「週末にまとめてやろう」 そう自分に言い訳を繰り返すうちに、部屋にはネット通販の段ボール、書類、脱いだままの衣類が層のように溜まっていきました。

「休むための家なのに、帰ると余計に疲れる場所になっていた」

ご自身で状況の悪化を自覚しながらも、仕事の忙しさを理由に後回しにしてしまう。いわゆる派手なゴミ屋敷ではありませんが、毎日の小さな「後回し」が生活空間を圧迫し、心身を休める場所を奪っていたのです。

作業内容

「捨てるのが惜しい」仕事での決断力が、自分の部屋では鈍る理由

今回の作業は、部屋全体の物量を減らすための「不用品回収」からスタートしました。

仕事では即断即決ができる聡明なお客様ですが、いざご自身の私物の整理となると、「これはいつか使うかもしれない」「捨てるのはもったいない」と手が止まってしまう場面が多く見受けられました。 「頭では分かっているのに、気持ちがついていかない」。そんなもどかしさが伝わってきます。

私たちは、使っていない期間や今後の生活動線を一緒に確認しながら、お客様が納得して手放せるよう、無理のないペースで整理を進めました。

ゴミや物を撤去した後は、全体クリーニングへ移行します。 キッチンや浴室、トイレなどの汚れは、日々の掃除不足による蓄積型のものでした。素材を傷めないよう丁寧に生活汚れを落とし、部屋全体をリセットしていきました。

「しっかりしている人」ほど抱え込みやすい、孤独な限界を受け止めて

作業が進み、部屋が片付いていくにつれ、お客様の口から本音がこぼれました。

「自分は仕事ができているから大丈夫だと思っていました。生活まで手が回らなくなるとは……」 「この程度で業者に頼むのは甘えではないか、と自分を責めていました」

仕事ができる人ほど、生活が崩れている自分を認めることに抵抗を感じ、限界まで我慢してしまう傾向があります。今回のご依頼も、お客様にとっては非常に勇気のいる決断だったはずです。

作業を終えて：「これでやっと、家でちゃんと休めそうです」

その言葉は、単に部屋が綺麗になったことへの感想ではなく、「生活を立て直せる」という前向きな宣言のように聞こえました。

仕事ができても、生活が追いつかなくなることは誰にでも起こり得ます。それは決して「怠け」でも「失敗」でもなく、環境や忙しさが重なった結果にすぎません。

私たちは、周囲からは見えにくい「しっかりしている人の限界」もしっかりと受け止めます。 ゴミの引き取りとクリーニングを通して、仕事も生活も無理なく続けられる「土台作り」をお手伝いできたことを、今回の現場から改めて学ばせていただきました。

お客様情報

ご依頼者	入居者様　30代男性
ご依頼エリア	堺市堺区
作業内容	ゴミ屋敷片付け・全体クリーニング
作業時間 / 人数	7時間作業/ スタッフ3名
費用	132,000円（税込）

スタッフ3名、２ｔトラック半分の処分量、7時間作業で金額132,000円です。