今回のご依頼は、寝屋川市のマンション（3階・階段作業）にお住まいの、50代男性のお客様からでした。

お問い合わせの際、言葉数は多くありませんでした。 「もう限界なので、お願いします」 短く、しかし絞り出すように伝えられたその言葉から、切迫した状況がひしひしと伝わってきました。

現地に伺うと、外観や玄関周りは整っており、近隣の方から見ればごく普通の住まいに見えます。しかし扉を開けた瞬間、その裏側でお客様がどれだけの時間、孤独に耐え続けてきたのかが痛いほど伝わってくる現場でした。

「自分の責任だから」誰にも頼れず、隠し続けた限界

お客様が抱えていた一番の苦しみは、部屋の汚れそのものよりも「誰にも頼れず、ひたすら耐えてきたこと」でした。

仕事の繁忙期と体調不良が重なり、片付けが後回しになる中で、ゴミは少しずつ生活スペースを侵食していきました。 それでも、お客様はご自身の真面目な性格ゆえに、「これは自分の責任だ」「まだ何とかなる」と自分に言い聞かせ、業者に頼ることを最後の最後まで避けていたそうです。

部屋の中は、生活ゴミや不用品、書類などが床一面に広がり、かろうじて歩ける動線が一本残されているだけ。 「ゴミ屋敷というほどではない」と必死に現実を否定しながらも、実際には掃除機もかけられず、心休まる場所はどこにもない状態が続いていました。

作業内容

「使うのが怖かった」機能不全の部屋と、溢れる罪悪感

今回の作業は、まず床を埋め尽くすゴミの分別と引き取りを行い、生活動線を確保することから始めました。

作業中、立ち会われているお客様はどこか申し訳なさそうで、「すみません」「本当は自分でやるべきだったんです」と何度も口にされていました。その言葉からは、部屋が汚れてしまったこと以上に、一人で我慢し続けてきた自分自身への深い疲れが感じられました。

ゴミを撤去していくと、隠れていた床や壁、水まわりの汚れが露わになりました。 特にキッチンと浴室は汚れが蓄積し、お客様ご自身が「使うのが怖くなっていた」とおっしゃるほどでした。今回は素材を傷めないよう注意しながら、こびりついた生活汚れを一つずつ丁寧に除去し、安心して使える状態へと戻していきました。

作業を終えて：「やっと息ができる気がします」

作業が進み、部屋が本来の姿を取り戻すにつれ、口数の少なかったお客様がポツリポツリと本音を話してくださいました。

「正直、ここまで酷くなっているとは思っていませんでした。自分でも、見ないようにしていたんだと思います」

そして全ての作業が完了し、広くなった室内を見渡した時、お客様はしばらく言葉を失った後、静かにおっしゃいました。

「やっと、息ができる気がします」

その一言が、この現場のすべてを物語っていました。 私たちが取り除いたのは、単なるゴミや汚れだけではありません。お客様の胸に詰まっていた「我慢」や「孤独」を取り除き、深呼吸できる環境を取り戻すお手伝いができたのだと感じました。

「これくらいで」と遠慮しないで。生活が苦しいなら、それは頼っていい理由です

今回のように、限界まで耐え抜いてからご相談いただく方は決して少なくありません。

「これくらいの汚れで頼んではいけない」 「もっと大変な状況の人がいるはずだ」

そう思い込み、結果として心身ともに追い込まれてしまうケースを数多く見てきました。しかし、「生活が苦しい」「家に帰りたくない」と感じ始めた時点で、それはもうプロを頼っていい十分な理由です。これ以上、一人で我慢を重ねる必要はありません。

私たちは、単に「ゴミ屋敷」という状態だけを見るのではなく、そこに至るまでのお客様の時間や気持ちも含めて向き合うことを大切にしています。 今回の現場で、お客様が「またここで生活していける」と感じていただけたこと。その安堵の瞬間に立ち会えたことを、スタッフ一同、心から嬉しく思っています。

お客様情報

ご依頼者	入居者様　50代男性
ご依頼エリア	大阪府寝屋川市
作業内容	ゴミ屋敷片付け・全体クリーニング
作業時間 / 人数	10時間作業（1.5日作業工程）/ スタッフ3名
費用	220,000円（税込）

スタッフ4名、２ｔトラック1台分の処分量、10時間作業（1.5日作業工程）で金額220,000円です。